April 20, 2006

着装文化通信19 クロロホルム

「人通りの少ない裏の路地。黒い背広にサングラスの妖しい男は一人の女性に声をかける。振り向いた瞬間、腹に一撃。叫ぶ間もなく、気を失った可哀想な女性はそのまま車に乗せられて人知れずどこかへ連れ去られてしまうのだった…。」
 実際には余程の心得のある方でなければ、相手のみぞおちに一発で気を失わせたりすることは中々難しいことかと思われます。相手に怪我をさせてしまったりする危険性を伴いますし、そもそもあまり紳士的な方法でないところも気に入りません。
しかし、かといって真正面から枷のない状態の人間を、思い通りにする(しかも黙らせつつ)ことは余りにも大変なことであります。陰気にそうっと背後から忍び寄り、手早く、なるべく腕力を使わずに女性を大人しくさせてしまう方法はないものでしょうか。
というわけで、今回のテーマは「クロロホルム」であります。
 実物はみたことがなかったとしても、推理小説やテレビドラマ等では全くおなじみ、例の夢のお薬です。布に数滴しみこませ、嗅がせるだけで相手の意識がみるみるとなくなってしまうという、しかも劇薬や毒性もない(※勝手なイメージです)というまさに夢の薬品。クロロホルムさえあれば。割とお手軽に女性を攫って車に連れ込み、部屋でゆっくりと縄でぐるぐる巻きにし、猿轡をして、その女性がハっと気がついた時にはすでに手遅れという状況に持ち込めるという次第なのです。
 という便利さも、さることながら。他にもう一つ重要なのがこの「クロロホルム」の持つ、素敵なキャラクター・イメージではないでしょうか。
 「クロロホルム」といえば「監禁」「誘拐」「美少女」等のイメージが即座に浮かび、あとは何の説明を聞くまでもなくストーリーは、決まったも同然です。
 例えば、昭和初期の洋館の書斎か、薬品棚の影にこっそりと置かれた濃い茶色の小さい小瓶。蓋をあければうっすらと鼻につくような甘い香り。
 昭和の探偵小説のような、世界観。そんなイメージが即座に浮かぶのは私だけではないでしょう。
 更に少々大げさにいわせていただくならば、これを使うものは身なりのキレイなこざっぱりとしたインテリ風で、七三わけで、学者か探偵か作家等の職業につくステキな紳士に、「違いない」ですし、又、クロロホルムを使って攫われる可哀想な少女は、育ちのよいお嬢さんで大きなお屋敷に住んでいてちょっと生意気で世間知らずの色白の美少女で、「なければいけない」のであります。
 「クロロホルム」と聞いた時、大抵誰にも浮かぶと思われますこれらの卑猥な(笑)ストーリーが、クロロホルムの魅力なのでありましょう。

 ところで、余談ではありますが抵抗する人間を一人、押さえ込むということの大変さについて一言申し上げておきたいと思います。
 仮令、かよわい女性であったとしても、です。下手したらこちらの方がばててしまい、獲物には逃げられ「誘拐未遂」というなんとも哀愁漂う結果にもなりかねないところでございました。
 先日行われた、撮影時のことで御座います。
 大抵の女の人は見かけよりも力持ち。これはとても正しい。ということを、身を以て実感したのでありました。はい。
 嗚呼、私の手に持つコレがホンモノのクロロホルムだったならば…。
 そう願わずには居られない撮影となりました、DVD「クロロホルムに酔いしれて」好評発売中でございます。


reijoh_shashinkan at 13:00│Comments(0)TrackBack(0) クロロホルム 

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