August 14, 2008

世界の怪獣

『写真で見る世界シリーズ・世界の怪獣』(中岡俊哉著・秋田書店・初版1967年)
世界の怪獣
書棚の整理をしていて発見しました。幼い頃、夢中になって読んだ書籍です。お恥ずかしい限りですが、なにしろ子供だったので、中身の全てを本気で信じてました。今読めば、どれもこれも子供だましのお話で、突っこみどころ満載の書物なのですが、今でも大事に所有しております。
内容は、「1、陸の怪獣」「2、空の怪獣」「3、水の怪獣」「4、怪植物獣」「5、宇宙怪獣ベスト10」の5つのブロックで構成されており、それぞれ実話のような文章が、ドキドキするようなイラストとともに記されております。(イラストです。タイトルに「写真で見る」とあるのに写真は1枚もありませんw)
中でも強く印象に残っているのは、宇宙怪獣ゲークラです。その形状の説明文を引用してみましょう。
「その怪獣は、ちょうどクラゲをさかさまにしたようなかっこうをしており、からだの大きさは約二十メートル、上の方にはからだと同じくらいの長さの三、四十本もの手のようなものがあり、下の方には目と口のついたタマゴ形の頭があって、そこから三本のふとくて長い足のようなものがついている。全身透明の怪獣だった。」
ゲークラ
クラゲをさかさまにしたようなかっこうだから「ゲークラ」なのだそうです。しかもこれを大真面目に命名したのが「ドーレル博士」というどうみても日本語を知っていそうにない人物なので、さらに笑えます。それに、「クラゲ」をさかさまに読んだら「ゲークラ」じゃなくて「ゲラク」じゃないのとも当時から突っこんでみたりもしたものです。(ところで当時の私は田舎の無教養な小僧に過ぎませんでしたので、世界中の人が日本語を喋っているもんだと本気で信じてました。何故なら、『巨人の星』のオズマも、『タイガーマスク』の虎の穴レスラーも、みんな爽やかに日本語を操っていたではありませんか。科学特捜隊や地球防衛軍に登場する外人隊員もみな外国なまりの日本語でしたし。)
それ以外にも似たような突込みどころが随処に現れますが、改めて読み直してみますと、童心に返って、浮世のしがらみを一瞬とはいえ忘れることが出来るのですから、自分にとって、あるいは同世代の皆様にとって、貴重な書物といえましょう。
多分、古本屋を巡れば見つけられると思いますので、是非とも入手してお読みいただきたいと思います。


reijoh_shashinkan at 00:19│Comments(0)TrackBack(0) 書籍 

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